パーシヴァルからのバレンタインのお返し。
―――美しくも儚い、一輪の花。
かつてパーシヴァルが目にした中で最も美しい花を、
マーリンの魔術によって再現してもらったもの。
この花は、パーシヴァルが聖槍を初めて手にした際、
周囲にあったものだという。
楽劇『パルジファル』によれば、
彼が聖槍を得たのは邪悪な魔術師の城の中とされる。
ならば英霊パーシヴァルの経てきた過去は、
楽劇とは異なるものであったのか。
或いは魔術師の城が、花で飾られていたのか。
或いは彼に口づけた魔女が、携えていた花なのか。
答えを知るのは、パーシヴァル本人のみである。